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□君は遠くへ行ってしまった
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最近、ううん、もうずっと前からツナと喋らなくなった。


(昔はよく一緒に遊んだのに)



横目でツナを見るとツナを中心に嫌でも目立つ獄寺、山本がいつも居座っている。
ねぇいつからそんなに仲良くなったの?


(昔は何でも話してくれたのに)


笑って、怒って、慌てて、笑う。コロコロ変わる表情。




ねぇツナ、聞きたいことがたくさんあるよ。



宿題聞きに来なくなったねとか、苦手な体育の授業をサボってないねとか。
背が伸びたねとか、日に日に増えていく傷とか、傷とか。
それはあの銀髪と野球馬鹿も同じだったけれど。




悔しい 悔しい。
私は嫉妬している。獄寺と山本に。



(だって傷まで共有しているもの)



悔しい ずるい。
私の知らないツナを知ってるんだ。




でも感謝もしてるの。
ツナがあんなに楽しそうだもの。


(ダメツナって誰も呼ばなくなった)


嬉しい 嬉しい。
ツナの良い所わかってくれたから。
気づいてくれたから。
大切にしてくれてるから。






ねぇツナ、言いたいこともいっぱいあるよ。
でももういいの。だって私の知ってるツナは消えてしまったもの。




今日も学校が終わるなり、バタバタと3人して学校を出て行った。



「いってらっしゃいどうか無事で」



訳も解らず祈るような気持ちになる。



窓越しに見えた走る小さな背中はなんだか逞しく見えた。







(さみしいよツナ)


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