ゆめみどころ。
□拍手ログ
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あるところのある部屋に、小さい机と潮江くんが居りました。
潮江くんは先程、背後から何者かに頭を鈍器のような物で殴られ、倒れた所をロープでぐるぐる巻きにされた後、ついでにクロロホルムをかがされ、意識を無くし、今の今まで眠っていたのです。
文「…………ここどこだ?」
目を覚ました潮江くんは、自分のいる知らない部屋を見て驚きました。
それと同時に眠らされる前の記憶を思い出し、
文「………あいつ殺す」
気が動転しているせいかつまらない事を口走りました。
文「…あ?何だこれ?」
さすが学園一ギンギンしている潮江くん、早くも自分の前におかれた机の上にある白い紙に気がつきました。
ハガキサイズの薄っぺらい紙には、どうやら文字が書いてあるようです。
文「…『おめでとう!君は“拍手のお礼を伝えよう☆委員会”より記念すべき第一号に選ばれました。これに則り、拍手のお礼を感謝の意を込めて述べて下さい』………」
潮江くんが固まってしまいました。これはどうやら悩んでいるようです。
文「…ありがとうございます…」
ぼそっと小声で言った潮江くんの上に金ダライが落ちてきました。
(ゴーーン!!!)
(「ぐはぅッ!!!」)
潮江くんが痛みに悶絶する中、ひらひらと一枚の紙が舞い上から舞い降り潮江くんの前に落ちました。
半ばキレ気味に紙を掴み取った潮江くんが低い声で読みあげます。
文「……『気持ちがこもってなーーい!』……」
ふるふると拳を握り立ち上がった潮江くん。
すぅーっと息を吸い込むと、
文「拍手、ありがとうございましたッ!!!!」
(ゴガーーン☆)
先程のより二回りほど大きな金ダライが落ちてきました。
叫び声も無く床に倒れこんだ潮江くんは、どうやら気絶しているようです。
するとどこからともなく黒子が三人現れ、気絶したままの潮江くんを運んでいきました。
四人の人影が消えたころまた上からひらひらと降ってきた紙には、
『よくできました★』
と大きな花丸が描いてありましたとさ!
拍手第一弾。す、すごい馬鹿っぽいものに…!(ぶるぶる)
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