ゆめみどころ。

□落乱
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きゅ、と私の首にゆるくかかった鉢屋の手に力がこもった。

咄嗟に『ぃや、』と自分でも無意識に拒絶の言葉が出て驚く。
鉢屋は私のそんな蚊の鳴くような声に少しだけ眉をよせて、息を吐いた。


「…おまえ、」


『ばかだろ』

そう口が動いた気がしたけれど、鉢屋は声を出さなかったから本当にそう言ったかはわからない。
ただ私は弱い光を背にした彼の口元をぼんやりと眺めていた。

わずかに絞められた首が思考回路を邪魔していく。頭の奥で耳鳴りがした。



ああ、とても好いと思う。



もしかしたら無意識にそんな風なことをくちにだしたのかもしれない。

ふ、と目を閉じた時鉢屋が言った。




「お前も大概変人だ」








離れていく手が名残惜しかった。



歪な微笑


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