WORST

□それでもあの人がいいと云う貴方、それでも貴方を諦めれない俺
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『はな…せよ、クロサー』


米崎さんは綺麗な顔を歪め
下から俺を睨み付ける

他のヤツならひるんでしまうその鋭い眼

だけど俺には
嗜虐心を煽るだけ


『やめろって言ってんだろ!?』


凄味をきかせた言葉も
その声は少し震えてる



今、この屋上には俺と米崎さんの二人しかいねぇ

そして俺は
薄汚れたソファの上
米崎さんを組み敷いている

『離せって』


米崎さんは腕を掴む俺の手を振りほどこうと必死でもがくが
俺より一回りも二回りも細いその腕では敵うハズがない


『無駄っすよ』
『バカ、早く離せ』
『どうして?』
『そんな、誰か来たら…』

米崎さんはチラリと入り口の方を見る


『誰かに見られたらマズいっすか?俺とこーゆうコトしてんの…』

言いながら米崎さんの唇を塞ぐ


『…んん…ん』


暫く唇を重ねた後


『もぉ、止めてくれ…』


米崎さんは、らしくない弱った声で言った


『大丈夫ですって。誰も来ねぇっすよ』
『……』
『そんなに俺がイヤっすか?普段は優しくしてくれんのに』
『ソレとコレは別だ。お前とこんなコトしたくねぇ』
『…俺は、本気っすよ』
『……ぃんだ』
『え?』
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