WORST
□ソレが僕の、貴方へのワガママ
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良く晴れた暖かい日
俺は十希夫を連れ屋上でサボるコトにした
屋上ではいつものようにコメが雑誌を読んでいた
『コーメー!いるかー?』
3人で話していると階段から大声が聞こえて来た
ソレは屋上にいる3人がみな知っている声で
同時に隣にいる十希夫の表情が微かに険しくなる
『マサ、どーしたんだ?』
やってきたマサに気をとられたコメは十希夫の顔に警戒の色が浮かんだコトに気付かなかった
マサは俺と十希夫を見て一瞬、顔をしかめたがすぐにコメに笑顔を向けた
『なー!学校終わった後ヒマ?メシ食いに行こーぜ!コレ貰ったんだ』
マサはソファに座ると
今にも抱きつきそうな勢いでコメに詰め寄りポケットからチケットを2枚取り出した
俺がチラリと横に目を向けると
十希夫は眉間に深い皴を寄せ今にもマサに掴みかかりそうな目で睨んでいる
『ああ、駅前に新しく出来た店か』
『そー!行こーぜ!』
『秀吉はいいのか?』
『秀吉?なんで?てか、俺はコメと行きてぇんだよ』
『そうか。じゃ、せっかくだし行くか』
コメの言葉にマサが嬉しそうにガッツポーズを作る
俺の横では十希夫が拳を強く握り絞めている