WORST

□不自由の先に…
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「なあ、米やん。あんたは今までどげん不自由と戦ぉてどげん自由ば手に入れてきたと?」


何度も喉元まで出しかけて
結局、言えないままの言葉を小さく呟く

米やんはこの屋上でアニやんに勝った俺を鈴蘭の頂点に立つ男として認めてくれてる

だけど、八人の女を股かけて四六時中女のコトばっか考えてるようなチャラチャラした俺を「後輩」以外に考えるコトはないだろう


「鈴蘭の頂点ちなんね?そげんこつキョーミなかと。米やんがワシ選んでくれるんやったら女ばもういらんとよ?すぐにでも全員別れちゃるけん」


そう打ち明けたら
米やん、信じてくれる?



喧嘩以外で米やんに認められたい


この不自由と戦っていい?

その先に俺の求める自由をくれる?



「米やん、世界一米やんを愛しとーよ」


穏やかな愛しい寝顔に口付けるように囁いた



2008.10.5.
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