CROWS

□僕はこの駅で貴方を待つ、例え飢えた狼達に噛みつかれても
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『クロサー、何してんだ?』


目の前の男との話に気をとられていると
不意に誰かが近付いて来た


『―!?』

米崎さんだ…

そこには
初めて会った時から忘れられない
あの綺麗な人が立っていた

『米崎さん!米崎さんも今から帰りっすか?』


相変わらずの整った顔に見惚れていた俺は横にいた男の妙に弾んだ声で我に返る
何気なく目を向ければ
今までとは別人のような表情
瞳には輝きさえ浮かんでいる


まさか…
コイツもこの人のコトを…

『ああ。それより、お前、この前の武装のヤツじゃねぇか?』


米崎さんが俺に話しかけて来た

『へっ!?あ、ハ・ハイ!武装の河内鉄生っす!』


ダメだ声が上擦る


『どうした?また何かあったのか?』
『あ・いや、その…』


「あの日からずっと米崎さんに会いたくて」
緊張のあまり用意していた言葉が声にならない


『どうしたんだ?』


答えれないでいる俺を米崎さんは不思議そうに見る

けど、薄茶色の吸い込まれそうに澄んだ瞳に俺はさらに声が詰まる


『コメー?何してんだ?電車来るぞー』


何かを言わないとと口を開きかけた時、駅の入口から金髪の男がこっちに向かって叫んだ
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