小さな魔王シリーズ

□小さな魔王と孤高の剣士・後日談
1ページ/3ページ

魔王「角、ありがとうございました」

先代「いいよ。元はと言えば僕が悪いんだし……」

魔王「全くその通りですね!お父さんがその昔ネグレクトしてくれたからあいつが暴走したんですよ」

先代「すみません死にます」



先代「でも思いきったね……あいつを魔王にするだなんて」

魔王「魂が魔王の力に染まってしまいましたし、あいつは最も魔物思いですからね。良い魔王になりますよ」

先代「まあ……僕らが人間贔屓過ぎたのも原因だね」

魔王「色々考えさせられましたよ……親とは難しいものですね」

先代「全くだよ」



魔王「さて、こうなって初めて会うわけですが。ちゃんと初対面らしく接して下さいよ」

先代「はいはい、分かってるよ」

魔王「あの一件はいつか教えてやらねばなりませんが……まだ、先の話にしたいのです」

先代「そうだね……」



魔王「おーい、ワイザーにロォ」

狼男「あ、お袋に先代様」

息子「……」

魔王「ワイザー、こちらが余の父上で先代の……」

先代「初めましてだね。僕の名前はレイ」



息子「死っっっねええええ!!!!」


ドッゴォオオン!!



先代「あ…………危な!」

魔王「ちょ?!どうしたワイザー!!」

息子「すみません母上……ですが!」



息子「何故か私はこいつが憎くて仕方がないのです!」

先代「ぎゃああああ!ストップ!停戦!頼むから停戦!!」

息子「黙れ老害!今ここで息の根を止めてくれるわ!」

魔王「……あーあ」



魔王「あれだな、恨みはうっすら覚えとるんだな」

狼男「どうするよ、お袋」

魔王「まあ、死にはせんだろ。好きにさせとこう」

狼男「そやね。オレもあんな高レベルな喧嘩仲裁したないし」



狼男「あ、そやそや……境界出た魔物はやっぱ確認できんかったよ」

魔王「だと思った。大方ゲインを追い出すための方言だろうよ」

狼男「あいつもある意味純粋で可愛い奴やねー」

魔王「ははは、ちょっと意地っ張りなのが玉に傷だがな。可愛いよ」



魔王「そうそう!ゲインといえば」

狼男「あー。とうとう……」

魔王「初孫ができるとはなあ。いつか会いに行きたいよ」

狼男「一応、成人するまでは魔物だってばらさんつもりなんやっけ」

魔王「ああ……人間と魔物、どちらの人生も選べるようにと」



魔王「ゲインが先に帰って来て、レイミアはぎりぎりまであちらにいるらしい」

狼男「え、レイミアちゃん一人で育てるん……?」

魔王「いやいや。サポート要員を送るよ」

狼男「?」



息子「ええい逃げるな!!」

先代「無茶を言わないで!!」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ