小さな神様と灰色魔王
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神様「あえいうえおあおいおそら」
魔王「何を?」
神様「あのね、ずっとおしゃべりしてなかったからね、れんしゅう、してるの」
魔王「それはそれは」
神様「もっとちゃんと、まおうとおはなしするの」
魔王「ありがとうございます。しかし練習など必要ありませんよ」
神様「どうして?」
魔王「舌っ足らずの幼女というものはそれだけで何より尊いものだからです」
魔王「その内に君は饒舌になるでしょうから今しばらくはこの至福の時を奪いませぬよう」
神様「まおうって、へんなまおう?」
魔王「いえ少し嗜好が特殊なだけです」
神様「それをへんっていうんだよ」
魔王「ああしかし君は何故ここに?」
神様「……ほかの、さんにんが」
魔王「この世界に初めからいた神様ですね」
神様「さんにんは、くーがいうことは、ぜったいなの」
神様「だから、くーがじゃまなの。とじこめるの」
魔王「そうですか。では少し席を外します」
神様「けんか、だめ」
魔王「他ならぬ君の御命令従いましょう」
神様「くーは、さんにんとなかよくしたいけど……さんにんはくーがきらいなの」
魔王「私は君を海より深く愛しています」
神様「まおう、すき!」
魔王「ありがとうございます」
魔王「監禁するなと命ずるまたは結界を破るなどはしないのですか。君の力は強い」
神様「……さんにん、こまる」
魔王「君は優しい神様ですね」
神様「ほめられた。はじめて」