企画

□La partenza nuova〜プロローグ
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「みんなに集まってもらったのは他でも無い」

卒業式を目前にしたある冬の日、次代ドン・ボンゴレこと沢田綱吉は日本在住の守護者を全員集めた。

場所は並盛高校会議室。

卒業生や部外者もいるが、そんな些末なことは関係なかった。

司会席に座る綱吉は緊張感を孕みながら己の守護者を見る。

常とは違う綱吉の様子に獄寺と山本、了平も真面目な顔で、雲雀は興味なさ気に欠伸を噛み締め、骸はあまりいい内容ではなさそうな予感に眉間に皺を寄せた。

そんな一人一人の顔を確認し終えた綱吉は、おもむろに口を開いた。











「実は緊急事態が発生した。各々が関係あることだから良く聞いて欲しい」












俄に緊張が走る。

中学時代はダメツナと称されていた彼も、様々な経験をして大分ボスの貫禄を付けて来た。

基本の性格が変わらずとも、普段は穏やかで女子の人気も高い。

モテはじめた当初は慌てていた彼も、家庭教師のおかげで冷静を装うことが出来るようになったが突っ込み体質だけは治らなかったらしい。

けれども少なくとも雲雀も骸も、彼がボスであることを是としたのは最近のコトだが、その甲斐あって綱吉の卒業と共に全員がイタリアに行くことが決まっていた。





「……なにが、あったんですか。十代目」





獄寺がゴクリと喉を鳴らして質問する。

しかし何処か苦虫を噛んだような表情の綱吉は、口を開かなかった。

しばらく綱吉が話し出すのを待っていた面々は、しかし長い無言に緊張の限界と疑問を持ちはじめる。

そんな彼らの気持ちを代弁したのは骸だった。

「綱吉くん、そんなに話し辛いことなんですか?僕たちに関わることで緊急事態なら、早く話してもらわないと打開策も出せません」

骸の尤もな言い分に、珍しく雲雀も無言で頷いた。

彼としては早く面倒な会議など終わらせて帰りたいのだ。
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