流星の再来
□流星の再来 ACT.19
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ボンゴレ本部の執務室。
ドン・ボンゴレこと沢田綱吉は書類を見ながら眉間に皺を寄せていた。
備え付けのパソコンでデータを捜し、また書類と向き直る。
同室で仕事をしていたリボーンもそんな綱吉が気になるのか、時たまチラチラと視線を向けてはいるが、今はまだ様子を見ているようだった。
いつでも干渉するのは教育上良くはない。
元家庭教師といえども完全に引退してわけではないのだ。
だがすでに二時間同じ状態が続いていることに気付いたリボーンは、彼に「どうした」と話しかける。
「ん?あぁリボーン。それが……いや、もうすぐ骸が来るから一緒に聞いてもらおうかな」
「なんだ、任務か?」
「ん〜、任務といえば任務なんだけど……」
難しい顔の綱吉に疑問を持ったリボーンが問いつめようとすると執務室のドアがノックされた。
リボーンは「ちっ」と舌打ちをし、綱吉は苦笑しながら「どうぞ」といった。
「お待たせしました、綱吉くん」
入って来たのはやはり骸で、綱吉は彼をソファーに促した。
「今ちょうどリボーンにも話そうと思っていたんだけど……」
そういうと綱吉はやはり難しい顔をした。
そして意を決意したように口を開く。
「二人は“エンキ”って名を聞いたことある?」
「「エンキ?」」
リボーンと骸がハモッた。
リボーンは皺を寄せ、骸は宙を見て記憶を思い出そうと試みる。
「うん、それか“peonia”っていった方が分かるかな」
「ペオーニア……日本でいうところの芍薬、ですか?」
「多分……。狙われたら生きてる人間はいないのに、絶対一般人には手を出さない。そのエンキらしい人物を目撃した一般人が“ペオーニア”っていったらしいんだ」
綱吉は真剣な顔で彼らの返事を待った。
「聞いたことがないですね。何をもってペオーニアなんでしょうか」
「……そのエンキがどうしたんだ、ツナ」
疑問顔の骸と、思い出せなかったらしいリボーンは、直接の疑問を綱吉にぶつけた。
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