流星の再来

□流星の再来 ACT.19
1ページ/2ページ

.
ボンゴレ本部の執務室。






ドン・ボンゴレこと沢田綱吉は書類を見ながら眉間に皺を寄せていた。

備え付けのパソコンでデータを捜し、また書類と向き直る。

同室で仕事をしていたリボーンもそんな綱吉が気になるのか、時たまチラチラと視線を向けてはいるが、今はまだ様子を見ているようだった。

いつでも干渉するのは教育上良くはない。

元家庭教師といえども完全に引退してわけではないのだ。







だがすでに二時間同じ状態が続いていることに気付いたリボーンは、彼に「どうした」と話しかける。

「ん?あぁリボーン。それが……いや、もうすぐ骸が来るから一緒に聞いてもらおうかな」

「なんだ、任務か?」

「ん〜、任務といえば任務なんだけど……」

難しい顔の綱吉に疑問を持ったリボーンが問いつめようとすると執務室のドアがノックされた。

リボーンは「ちっ」と舌打ちをし、綱吉は苦笑しながら「どうぞ」といった。








「お待たせしました、綱吉くん」

入って来たのはやはり骸で、綱吉は彼をソファーに促した。

「今ちょうどリボーンにも話そうと思っていたんだけど……」

そういうと綱吉はやはり難しい顔をした。

そして意を決意したように口を開く。

「二人は“エンキ”って名を聞いたことある?」

「「エンキ?」」

リボーンと骸がハモッた。

リボーンは皺を寄せ、骸は宙を見て記憶を思い出そうと試みる。

「うん、それか“peonia”っていった方が分かるかな」

「ペオーニア……日本でいうところの芍薬、ですか?」

「多分……。狙われたら生きてる人間はいないのに、絶対一般人には手を出さない。そのエンキらしい人物を目撃した一般人が“ペオーニア”っていったらしいんだ」

綱吉は真剣な顔で彼らの返事を待った。

「聞いたことがないですね。何をもってペオーニアなんでしょうか」

「……そのエンキがどうしたんだ、ツナ」

疑問顔の骸と、思い出せなかったらしいリボーンは、直接の疑問を綱吉にぶつけた。

.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ