□野良のお日様
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日も高い時刻。
辰馬は野原で寝そべっていた。

真っ青な空を眺めていると、どこからか猫の鳴き声。

それに一瞬気を取られたが、陽気にあてられ微睡みだした。


そんな中、額に何か柔らかいものが触れてきた。

「ん?何じゃ」

閉じかけた瞼を開き、頭をずらすと目の前に斑模様の猫の顔が広がった。

「さっき鳴いてた猫がか?」

それに応えるように、猫はにゃあと鳴いた。

猫は目の前にある毛玉の様な黒髪に興味を持ち、弄りだした。

「あだだだ。やめてくれんか、痛いぜよ」

爪で引っ掻くように髪を梳かれ、絡まった髪は引っ張られて辰馬は痛いと猫に訴えた。

「変なものに興味を持つのう」

自分の髪の毛を変なものと言う辰馬に、猫は愉快そうに鳴いた。

「あり、今笑ったがか?」

あはははー、と笑う辰馬に、この人間は自分の心を感じ取ったと猫は驚いた。

猫は辰馬の頭から離れると、今度は辰馬の腹の上に乗っかり丸まった。

「何じゃ、一緒に寝るがか」

応えるように猫は小さく鳴いた。既に眠くなってきたのだ。



「この陽気じゃからの。一緒に寝るぜよ」



猫は暖かい辰馬の上で、束の間の睡眠をとった。














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