ブリーチ 短編
□忘れ物(黒崎)
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「あ」
ヤバ…。
「どうした?」
私が声をあげたからだと思う。
隣の席の黒崎が話しかけてきた。
「ん〜…忘れ物」
私が教科書を抜いた数学一式を机に置くと、黒崎は、あちゃ〜、という顔をした。
「あ〜あ…授業受けれないな…」
どうしよ。
「サボろ」
「待て!」
私が席を立つと、黒崎からの制止がかかった。
「お前、大胆な事するな…」
だって…教科書がなかったら授業受けれないでしょう?
だったらサボるしかないじゃない。
私がそう言うと、黒崎はため息をつく。
「貸してやるよ」
は?
「いいわよ」
だって黒崎の教科書を私に貸したら、黒崎が授業受けれないじゃない。
「そうじゃなくて、一緒に使えばいいだろ」
ああ、そういう事?