ボカロ 短編

□歌わせて(神威)
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俺の主は変わり者だ。


何故なら、俺達を「可哀想」だと言う。







そして、俺に歌を歌わせてくれない。














「主、いい加減歌わせてくれ」

「嫌よ」




何故だ。

何故、主は頑なに歌わせてくれない。








「だって、可哀想なんだもの」



それは聞いた。









「私が歌わせるなんて、強制的に歌わせてるみたいじゃない」




そんなの嫌。










なるほど。


俺の主は本当に…。











「馬鹿者」


「なっ…」



主は勘違いしている。







「俺だって強制的に歌いたくなどない」







だがな。













「俺は今、歌いたいんだ」



主の歌を。



これは強制などではないだろう?
 







「さあ、歌わせてくれ。主」





(本当は主も、歌わせたいんだろう?)

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