Kyoudou
□砂糖菓子の香り
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家に帰れば、銀時がソファーにうつ伏せになって、いつもの様にジャンプを読んでいた。
ただいまと声をかければ、気だるげな声でおかえりと返って来た。
「ぎーんちゃーん!とぉ!」
そんな掛け声と共に銀時の上にダイブした。
「うぎゃぁぁあ!」
悲鳴のような、いや、何か潰れたような声が聞こえたかが、無視して銀時の背中の上にうつ伏せに寝転んだ。ふわふわと甘い香りのする銀糸に顎を乗せる。
「な、何事ですか!?」
台所かどこかに居たらしい新八が、銀時の悲鳴を聞きつけ居間にやってきた。
「てめっ!神楽!銀さんが死んだらどう責任取る気だ!?あ!?」
「銀ちゃんは、いっつも甘い匂いするネ」
甘い香りは、砂糖菓子のようで甘味が大好きな彼そのもののような香りだった。
この香りは、酷く安心する。
「まあ、確かに銀さんて甘い砂糖菓子みたいな匂いがしますよね」
新八がクスクス笑って言った。
「俺は、食べられませんよー」
相変わらずの気だるげな声。新八がやっぱりおかしそうに笑っている。
「銀ちゃーん、大好きアルよ」
なんだか、急に言葉にしたくなってそのまま口にしてみた。
「僕も大好きですよ。銀さんも神楽ちゃんも」
「新八もオマケで好きアル」
憎まれ口は叩いてみたものの、緩む頬は押さえきれず新八は、笑みを深めただけだった。
「銀ちゃんは?」
ワクワクしながら、答えなんて分かっているけど問い掛けた。
「はいはい、神楽ちゃんも新八君も銀さんは、大好きですよー」
ちょっと照れたようなぶっきら棒な声が聞こえて新八と顔を見合わせて、笑った。
銀ちゃんの耳が少しだけ赤かったのは新八と私の秘密アル。
砂糖菓子の香り
(一番大好きな香り)
End