GUNDAM00
□タカの目にも涙
1ページ/1ページ
ロックオン・ストラトスは刹那・F・セイエイが大好きである。
揺るがぬ想いはやがて実を結び、晴れてロックオンは刹那の独占権を手に入れた。
――…かのように思えたが。
「刹那、」
「ロックオン・ストラトス」
「いい加減フルネームはよせよ。な?」
笑いながら訂正してやると、堅い表示を若干緩めて、ああ、と答えた。
「刹那、俺の部屋に来いよ」
「……。ああ」
「適当に座んな」
部屋に招き入れる事に成功したロックオンは、上機嫌で刹那に牛乳を手渡した。
「ありがとう………」
「おうよ」
それを最後に、二人の間に沈黙が生じる。
「…………………」
「………………………」
「…………」
「……。…………」
何かを口ごもって再び口を閉ざした刹那を見て、ロックオンは意を決した。
「……刹那…。もう………寝るか?」
無防備にもベッドに座った刹那にゆっくり近づく。
――――…が、
「……寝る? 眠いのか、ロックオン」
――――はい?
そんな効果音が聞こえそうなロックオンの顔。
「あ、あの…刹那くん?」
「今日のミッションより明日の方が厳しくなるとスメラギ・李・ノリエガが言っていた。疲れているのならすぐにでも寝た方がいい。…俺はいないほうがいいだろう」
珍しい刹那の長台詞も、今は突き刺さる刃でしかない。
「ふ…ふははは…はははっ」
「ロックオン?」
前途多難。
否、スタートすらまだまだだ。
そう確信した狙撃手、タカの目には、うっすら涙すら浮かんだという。
ちなみに、この後ロックオンは、なんとか理由をつけて刹那を部屋に留め、寝つくまでの間に会話する事だけには成功した。