REQUEST
□four eyes
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時は数分前にさかのぼる。
「吉良!!」
己の名を呼ぶ声に、吉良イヅルは足をとめた。そして振り返る。
炎みたいな赤い髪を揺らし、阿散井恋次が歩いてくる。
「ちょうど良かったぜ」
「どうしたんだい?」
気さくな恋次に、同じように気さくに返す。
「阿近さんに頼んでたもんが仕上がったってんで取りに行かなきゃなんだけどよ、これから隊長に呼ばれてんだ。頼んでたもんは今日中に取り来いって言われてるし、吉良、代わりに行ってくんねーか?」
「それはまあいいけど…」
「そうか、サンキュー! じゃ後でな」
相当急ぎの用なのか、恋次は一気にまくしたてるとさっさと行ってしまった。