THE SHINE

□キミに届け
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─キミの夢の中でも…キミを助けに行けたら─

「また…泣いていたんだね…」
真っ暗なユーリの部屋…
差し込んでいるのは、淡い光を放つ夏の月…
開けっ放しの窓から、夏風がふわりと入ってくる。
そんな、部屋のソファーの上で眠っている奇麗なヴァンパイア…
「ユーリ…泣かないでよ…」
ユーリと呼ばれたヴァンパイアは、ソファーの上で、泣きながら眠っていた。
「ユーリ…また過去夢見てるの?」
スマイルは、ソファーの空いている部分に座り、ユーリの頭を、そっと自分の膝の上に乗せた。
ユーリの頬をつたう涙をそっと拭う。
「……ないで……」
小さな寝言…
寝言と同時に、服をギュッと握り締められる。
ユーリの涙は止まるところをしらなくて…
拭っても拭っても止まらない…
「そんなに泣かないでよ…」
ボクまで哀しくなるからと呟き、ユーリの頭を優しく撫でる。


─夢の中に…行けたらいいのに…
そしたら、『大丈夫だよ』って抱き締めてあげられるのに…─


スマイルは暫くユーリを見ていた。
あった…
一つだけ、夢の中にいける方法…
夢の中でもボクを感じられる方法…
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