THE SHINE

□月花≪げっか≫
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─ボクは月宵草…
夜空に浮かぶあの綺麗な月を見るために…
君と同じ夜に花を咲かせる…
君を見るために…─

「犬君〜っ、おなかすいたぁっ!!」
キッチンに飛び込むと誰もいなかった。
冬の寒い日、ユーリの城があるメルヘン王国北部は、信じられない程、雪が積もっていた。
夕方近く…いつもなら夕食の準備でキッチンにいるハズなのに。
「今日からアッシュは泊り掛けで仕事だ」
2階から、ユーリが降りてくる。
寝起きなのかガウン姿でボクの前に現れた。
ガウンが微妙にはだけていて…アッシュじゃないケド、一瞬ドキリとしてしまう。
「およ。遅いお目覚めで。ま〜た犬君の相手かい」
「あいつは限度を知らな過ぎるんだっ!!明け方近くまで放してくれなかったし…///」
ボクは苦笑しながらユーリに近付き「お疲れさん」て言いながら頭を撫でる。
「じゃあ、今日は久しぶりにユーリと2人きりなんだねぇ〜」
「だな」
ユーリは背伸びをし、血の代用品のトマトジュースを冷蔵庫から取り出し飲んでいた。
「ね、ユーリ、犬君いないんだったらさ、たまには外に食べに行こうよ」
ボクはユーリを誘う。
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