THE SHINE

□Snow Melody
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─貴方は…
雪の音を聞いていますか??
聞いてください…
この綺麗な音を─


* * *

「うぅ〜さみぃ…」
オレはそう言いながらユーリの部屋に紅茶を持って向かう。
外は昼間から雪が降っていて…夜には結構積もっていた。
「ユーリぃ、紅茶もって来たッスよ」
返事がない。
返事がないと不安になる。
「また外に行ったんスかね…」
こんな雪だから…
雪の夜、必ず彼は外に行ってしまうのだ。
悲しそうな顔をして…
「入るッスよ…」
片手でトレイを持ちながら、ドアを開ける。
「ぅわっ!!」
部屋に入ったら信じられないぐらい寒かった。
見れば窓は開け放たれていて…
ユーリはバルコニーの手摺に腰掛けて雪原を眺めていた。
月がキラキラと雪原を照らしていた。
「何してんスか?」
オレは後ろからユーリを抱き締めた。
「雪…見てた…」
「そう…」

これ以上聞いちゃいけない…

何故だかそう思った。
代わりに、ユーリを強く抱き締める。
「…の…音…」
「え??」
ユーリが小さく何か言った。
「アッシュ、お前は雪を見てどう思うか?」
ユーリが聞いてきた。
「そうッスねぇ…綺麗で儚くて見てると切なくて…でも愛しくて…まるでユーリみたいだなぁ〜とか…思うッス」
「そうか…」
ユーリはポツリと言った。
「ユーリは?」
オレは問うた。
「死の…音がする…」
ユーリは再び呟いた。
「死の音ッスか??」
彼は頷いた。
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