THE SHINE
□DRUG ADDICTION
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「ユーリ…また沢山飲んだの…??」
「……」
「ねぇ…聞こえて──……
私に話しかける声は、だんだん聞こえなくなっていった…。
ふわりふわりと
灰色の世界に落ちてゆく…
まるで
地面に落ちる木の葉の様に舞う身体…
ふんわりと地面に落ちた私…。
とても…とても気持が良い。
柔らかい、真っ白な地面…。
そのまま、そこで目を閉じる。
緩やかな眠り…
─ ツ カ マ エ タ …─
突然、耳許で声がして、金縛りに遭ったように苦しくなる身体…
目を開けると、黒い無数の手が地面から出てきて、私の身体を捕えていた。
─ モ ウ ニ ガ サ ナ イ …─
その手が、私の身体を地面に引きずり込む。
そこから逃げようと必死に翼をばたつかせる。
─ ム ダ …─
ズルズルと地面に引きずり込まれる私…
『い…やだっ…』
もがいてもがいて、逃れようとする。
『いやだ…いやだ、いやだぁぁぁっ!!!」
叫びながら目覚めた私…
身体が酷くだるい…
疲れが取れてないんだ…きっと…
寝っ転がりながら、サイドテーブルに置きっぱなしだった小さな瓶に手を延ばす。
もう残り少ない中の薬…
一つづつ、口の中に入れる。
「ユーリっ!!またっ!!!」
不意に腕を掴まれる。
最後の一粒だった薬を奪われる…。
「ほらっ、口に入れた分もっ…」
仰向けにされ、顎を捕えられ、無理矢理口の中に指を入れられる。
口に含んだ薬は、全て掻き出されてしまった…。
「ちょっと目を離したら…。ユーリ、分かってる??このお薬はね、一度に沢山飲むものじゃないの」
誰か、私の事を怒ってる…
「誰…??」
「ほら…もぅボクが誰だか分かってない…」
私の上に落ちてきた言葉は、何処か冷たい様な、呆れた言葉…
この声…
私はよく知っている…。
「…スマ…??」
私は聞いた。
「さぁ…どうだろうね」
返ってきたのは冷たい言葉。
沈黙が続いた…。
気が付くと、さっきの灰色の世界…。
─ ダ レ モ タ ス ケ テ ク レ ナ イ ヨ …─
耳許で聞こえたのは、あの声…
─ ミ ン ナ キ ミ ノ コ ト キ ラ イ ダ ッ テ …─
『皆…』
一気に暗くなる世界…
─ ソ ウ …─
無数の黒い手が私を包む…
『ユーリなんていらないよ…』
『さよならユーリ…』