THE SHINE
□「タトエバ」キミ…ガ…シンダ…ラ
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キミのいないその世界に…
存在価値なんて無い……
*「タトエバ」キミ…ガ…シンダ…ラ*
「ユーリ!!!」
月明かりだけが差し込んでる蒼い部屋の中央…
「ちょっ…大丈夫ッスか??」
アッシュはうつ伏せに倒れていたユーリに駆け寄った。
「アッシュ……」
ユーリは小さく細い声でアッシュの名を呼んだ。
「…ユーリ…一体何してたんだよ……」
アッシュはそっとユーリを抱き起こした。
「アッシュ…わたし……なんで…しねないの…??」
ユーリの白いシャツは腹部が赤く染まり、その手には血に染まった短刀が握られていた。
「あのね……これで……たくさん…たくさん…さした…のにね…しんでない……」
「何で…何でユーリは何時もそんな事ばっかりするの!!!」
アッシュはユーリを怒鳴りつける。
「だって……いまが…しあわせ…だから…」
ユーリは薄く涙を溢しながら、アッシュに言う。
「だから死にたいの??」
そう問えばユーリは小さく頷いた。
「ユーリ、死んだ後の世界にはオレはいないんだよ??」
「…分かってる…」
「い〜や分かってない」
アッシュはユーリを否定する。
「オレはユーリのいない世界なんていらない…」
「わたしも…アッシュ……いなきゃ……やだ……っ…いやぁっ……」
ユーリは弱くアッシュの服を掴み、泣き出した。
「じゃあ…もうこんな事しないね…」
アッシュはユーリを抱き上げ、自室へと向かった。
ユーリの傷付いた身体を手当てする為に……。
─例えば、君が死んだとして…
その先、何の為に生きればいい??
そんな世界に存在価値なんて全く無い─
END...