呪われた人々

□乙女心、永久ラビリンス(♪)
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「きゃっ!!!」
「どうした!シャーロット!!!」
雨が降り頻る冥界の学舎を探索していたジョナサンとシャーロット。
前に出て魔物と戦っているジョナサンの後ろで、得意の魔法で援護していたシャーロットが突然悲鳴を上げた。
「いったたぁ…ぬかるみにはまっちゃった…」
後ろを振り返ったジョナサンの目に映ったのは、地面にペタリと座り込むシャーロットの姿。
「ったく…子供の癖にミュールなんて履くからだ。学校に行くときは指定の靴かスニーカーって規定があっただろう??」
やれやれ…と肩をすくめ溜め息を吐いた。
「あ〜っ、また子供扱いしたぁっ!!何よっ!!2歳上だからって…」
何時もの調子でジョナサンに言う。
「それより立てるか??」
何時もの事だと、さらりと聞き流したジョナサンはシャーロットに手をさしのべた。
「一人で立てるわよ!!」
と言いながら立ち上がろうとするシャーロットだが…
「痛っ…」
左足首に激痛が走り、再び地面に座り込んだ。
「はぁ〜…。仕方ない、一旦ヴィンセントの所に戻るぞ」
そう言って、ジョナサンは、ポケットから魔力が宿ったチケットを取り出し、天に掲げた。



場所は変わり、悪魔城内のヴィンセントの店…。
「いやぁ〜お二人とも、ご無事で何よりです」
「おぅ」
何時もの口調で出迎えた神父に軽く挨拶し、女神像の前にシャーロットを座らせた。
「暫くそこでじっとしてろ」
そう言って、ヴィンセントの所に行くジョナサン。
「ジョナサン様、あのお嬢さんはどうなさったんですか??」
「ぁ?あぁ、足を捻ったみたいだな」
「なんと!!それはざぞ痛かったでしょうに…」
そう言ってヴィンセントはシャーロットの側へ行く。
「ヒールをかけたから、もう少ししたら歩けるわ」
「あまり、無理なさらないで下さいね」
「ありがとう」
そんなほのぼのな会話を交してる二人の後ろで
「大人の真似事するからだ。お前にはサンダルあたりが丁度いいと思うけどな」
悪戯気に笑い、サンダルをシャーロットの前に置いたジョナサン。
「ジョナサンの………ジョナサンのバカ〜っ!!!」
「うぉっ!!!」
そんなジョナサンの行動が頭にきたシャーロットは、彼を武具辞典3冊と、新・武具辞典1冊の計4冊でおもいっきり殴りつけ、何処かへ走り去っていった。
「ってぇ〜。何なんだアイツ…」
頭を擦りながら呟いたジョナサンに…
「ジョナサン様は乙女心が分かってらっしゃらないのですね…」
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