呪われた人々

□現の夢、現の真実(†)
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─ワァァァァァァ─

大勢の人の声と、剣が交わる音が聞こえる…

そこでオレは考える…

どうやったら犠牲を最小に抑えて、オレの軍は勝てるか…

『大丈夫か────?』

考えているオレの隣に、敵を斬りながら馬を止める一人の騎士…

あぁ…
オレはこいつを知っている…。
こいつはオレの無二の親友だ…

『大丈夫だ───』

オレは答える…
そこで閃く。
この戦いの勝利の戦法を…。

『前後左右に軍を分割して四方から挟み込む。───、お前は後方から敵将を討て!!!』

『しかし、此方が四方に分かれる前に各々の軍が集中的に殺られるのでは…』

そこでオレはニヤリと笑う…

『一旦撤退したようにみせかけ、相手が油断したらどうなる??』

『そうか…!!!』

『さぁ号令をかけるのはお前だ───』

『分かった。全員、一時撤退っ!!!』

親友の号令に、全員その場を後にする……………




「くぉら来須!!!」
「ってっ!!!」
頭に鈍い痛みが走る。
「俺の授業中に爆睡とは、いい度胸じゃねぇか…ん??」
「げ…ι」
そろ〜っと顔を上げると、教科書を片手に、青筋立ててる歴史の先公…
しかもこの先公“鬼の山田”で校内じゃ有名な歴史の先公だ。
「来須…卒業考査、よっぽど自信があるらしいな…ん??」
「いや…ありません……ι」
「そうか、そんなに自信あるなら卒業考査で90以上取ってみろ」
「いや…だから無理です…ιι」
「よし決定!!!さぁ〜、授業続けるぞ〜」
オレの意見は見事に無視され、授業は続けられた。
クラスメイトから、「ぁ〜ぁ」だの「馬鹿」だのの哀れみの声がヒソヒソと上がった。

「蒼真君、聞いたわよ。よりにもよって歴史の授業で爆睡してたんだって??」
放課後…
噂は学年中に広がったのかどうか知らんが、弥那がそう聞いてきた。
「ぁ…あぁ…」
「もぉ〜。まぁた夜更かしでもしてたの??」
「ぁ?そんなんじゃねぇよ…」
急に眠くなったつかなんつーか…ι
それにしても…
「なんか不思議な夢だったな…」
「ん??」
「授業中に見てた夢だよ。中世の騎士みたいな…」
「それって、今、総仕上げでやってる範囲が中世関係だからじゃない?」
「かなぁ…」
それにしても結構リアルな夢だったような…
「きっとそうよ。ぁ…そうだ。今、ヨーコさんがうちに泊まってるんだけど…蒼真君も来る?お勉強見てくれるって」
「ヨーコさんが??」
「うん。他にもハマーさんとか、有角さんもいるけど…」
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