雑記帳

□魔物達の夜
1ページ/7ページ

─ワラキア地方某所─

赤い満月を背にそびえる大きな城…
城の中心部の大広間…。
その中央…円いテーブルを囲み、何やら話し込んでいる男が3名…。
「譲る気はないな」
金髪、青目の青年は2人をなかば睨みつける様にして言う。
「私だって譲る気は更々ない。大体、彼をヴァンパイアにしてやったのはこの私だぞ!!」
赤髪、赤目の男は若干声を荒げて言った。
「それを何年間もあんな水牢に閉じ込めていたのはどこの誰だ?ん???」
黒髪、赤目の青年は、男に向かって笑顔で問掛けた。
「そうだそうだ。大体、あの水牢から解放してやったのは私だぞ」
だから信用してるに違いないと言い切る金髪の青年に…
「レオン、でもお前一度ヨアヒムを討ってるよな」
「うっ……ι」
「瀕死の彼を救ったのは私だよ??」
親友に、笑顔で痛い所を突かれて固まるレオン…。
「ってちょっと待てマティアス!!大体お前にはレオンと言う者がありながら、更にヨアヒムをもモノにする気かっ!!!どちらか一つに決めんかっ!!!」
「ヴァルター、それでは私が浮気者みたいではないか。しかも、どちらかなんて選べはせん」
何だか問題発言をしているヴァルターに対して、やっぱりどこか問題発言をしているマティアス…。
事の発端は、地下水牢にいたヨアヒムが今レオンの家にいる…というのが納得いかないとヴァンパイアーズ(笑)が言い出して。
でレオンをわざわざ城に呼び出して話し合い…。
「大体ヨアヒムは我々と同じヴァンパイアだぞっ!!!人間と一緒に暮らせる訳がないっ!!!」
ヴァルターはレオンに向かって言う。
「でも元は人間だ」
「フッ…甘いなレオン。それを言うなら私の方が彼に近い存在だな」
「何で??」
勝ち誇った様に言ったマティアスに対し、サラリと聞き返した親友。
「何でって……ι私も元は人間じゃないか…(泣)」
「ぁι」
「共に戦場に立ち、無敗神話を打ち立てたあの日の友情はどこにっ…!!!(泣叫)」
「すまん…ιもー死神戦終わって、どうちゃらこうちゃらで、すっかり忘れていた」
苦笑いするレオンに対して
『夜を狩るとかが、どうちゃらこうちゃらで済まされてるι』
『あいつ、昔からああだったからなぁ〜(泣)』
と小声でやりとりをしているヴァンパイアーズ(笑)
「と…このままではラチがあかんから、とりあえず相談相手を増やすとしようか」
気を取り直し立ち上がったマティアスは、床に大きな水鏡を作った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ