LoveVampire

□眠れぬ夜は…編☆
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「……ふぅ…」
夜も更けた頃…
手元のランプだけが灯る部屋…
深い溜め息を一つ吐いてユーリはまっ白な譜面と、かれこれ30分間にらめっこをしていた。
「珍しいッスね、ユーリがスランプなんて…」
「ひゃぁ!!!」
なんて後ろから突然声をかけられ、ユーリは甲高い声を上げて、跳び上がった。
「ぁ…アッシュ!!いつ入ってきた!!!」
ユーリはアッシュを指差しながら言った。
「ちゃんとノックはしたッスよVv」
アッシュはユーリを後ろから抱き締めた。
「にしても今のユーリの声、可愛かったッス〜Vv」
アッシュは更にユーリをきつく抱き締めた。
「全く…何を馬鹿な事吐かしてるかっ!!!」
そんなアッシュから懸命に逃れようとするも、方や人狼、方や吸血鬼。
いくら吸血鬼の力が強くとも、パワーを誇る人狼に力で勝てるわけもない。
結局はそこでジタバタと暴れるだけしか出来ないユーリ。
「ユーリ、オレ眠れないなぁ〜…」
「だったらお前も1曲位書く努力を…」
「今日は努力の気分じゃないッスもんVv」
アッシュはそれだけ言うと、ユーリのシャツの中に手を入れた。
「あ…アッシュっ!!!」
「今はユーリの気分ッスもん」
『どんな気分だぁぁ!!』
とユーリは心底叫んでやりたかったのだが…
「やっ…!!!」
アッシュがユーリの股座に手を伸ばし、ユーリが言いたかった言葉は、ものの見事に阻止されたのだった。
「さぁ、ベッドにちょっこ…─ドカッ─
「随分とまぁ〜ボク抜きで楽しい事をしようとしてくれてたじゃなぁい?そこの犬…」
ユーリはそろ〜っと後ろを振り返った。
そこにはベース片手に何時もの笑みを浮かべて立っているスマイルと、床に悶絶して蹲っているアッシュがいた。
「す…すまっ…楽器は武器じゃねえって……」
蹲まりながらスマイル言う。
「しぃらなぁ〜い。それよりユーリ、大丈夫だったぁ??」
心配そうに声をかける。
「あ…あぁ…大丈夫だった…」
ユーリは目を点にしてそう答えた。
「そう…それじゃベッドに移動しよっか」
相変わらずの笑顔で言う。「お前もかぁぁっ!!!」
「だって〜ユーリも眠れないんでしょ??」
「そうだが…」
「だったらいいじゃん」
「私は歌を書きたいんだっ!!!」
ユーリは立ち上がって反論する。
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