LoveVampire

□眠れぬ夜は…編☆
1ページ/2ページ

あぁ…眠れない…
怖くて怖くて仕方ない…
何が怖いのか、自分でも分からない…
自分は吸血鬼なのに、何を恐れている??

ヨアヒムはベッドの中で何度も寝返りをうった。
彼にとって夜はまだ活動範囲なのだが、部屋とベッドを共有してくれているレオンに悪い気がして、自分もレオンと同じ時間に床に就いたのだった。
「はぁ…」
寝ているレオンに背を向けて、小さく溜め息を吐いた。
「ヨアヒム??」
後ろから声がして、ヨアヒムは振り返った。
「レオン…」
レオンが心配そうな顔でヨアヒムを見ていた。
「ごめん…起こしちゃった…」
ヨアヒムはレオンの方を向いて謝罪した。
「いや、私は構わないのだが…。眠れないのか??」
レオンはヨアヒムに訪ねた。
「ううん…そんな事ない…」
「そうか??私にはそう見えないんだが…」
「えと…今、寝ようと…」
「…さっきからモソモソしてるのに??」
「ぅ…ι」
レオンに嘘は通用しそうにない。
「……何か怖い……」
観念したヨアヒムはそれだけをレオンに呟いた。
「そうか…」
レオンはそれだけ言ってヨアヒムを抱き寄せた。
「…ヨアヒムは…昔の私とよく似てる…」
ヨアヒムの耳許でそう囁いた。
「昔の??」
レオンは頷いた。
「幼い頃に両親を亡くして…な。私も…寂しかったのかもしれんなぁ…」
ヨアヒムの頭を撫でながらレオンは呟いた。
「ヨアヒム…今更だが…君の傍にいても良いかな??」
「僕も…レオンと一緒がいい…」
ヨアヒムはレオンの胸元に己の頬を擦り寄せた。
レオンはずっとヨアヒムの頭を撫でていた。
二人とも、いつの間にかまどろみの中にいた。

それは満月の綺麗な、暖かい夜の出来事でした…。

END...
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ