LoveVampire

□閑話〜吸血鬼かっ拐い編〜
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─メルヘン王国北部、ユーリ家中庭…

「ユーリ、久しぶり」
「ん…?あぁ久しいなヨアヒム」
読んでた本を閉じてユーリは声がした方を振り向いた。
まぁそこには、己の身を守るかの様に5本の剣を浮かべて立っている吸血鬼さんがいたワケで。
「忙しかったか??」
「いや。そうでもないさ」
ユーリは側にいた蝙蝠達に紅茶とケーキを2人分アッシュに持って来るよう頼んだ。
「便利だねアレ」
ヨアヒムは城内に入っていった蝙蝠達を目で追いながら呟いた。
「まぁ…普段は温室でコキ使われてるみたいだがな」
苦笑しながら言う。

で数分後、紅茶とケーキで始まりました、耽美で優雅なティータイム。


が…


「つか聞いてよ!!!この間さ、レオンの家にいたハズなのに目が覚めたらクソ親父の部屋にいたワケ!!!しかもあんにゃろう僕に何やらキテレツな服着せてる上に何したか知らないケド身体痺れて動けないし、もぅ最悪だったんだよ!!!」
「私も似たような目にあったな…。と言うかだ。私は収録で疲れてると言うのに、聞く耳持たない馬鹿共が問答無用で襲ってきて…で、帰ってきて、ようやくゆるりとくつろげるかと思いきや風呂場まで押し掛けられで散々な目にあった…」
お互い置かれている立場が一緒なもんだから、気が付いたら愚痴大会(笑)
「というか、普段は附抜けでお人好しのアッシュがどうしてああも人格が変わるのか、最近本気で分からん」
「アッシュもなんだ…。こっちは元騎士2人だよ…。普段はフワフワしてるマティアスや紳士なレオンなのに、どうして夜になると変わるかなぁ…。つか最近あの2人が妙に怖いよ…僕は…」
日頃の不平不満が溜りに溜ってる様で。
焼け酒ならぬ焼け紅茶(笑)で語る哀れな吸血鬼さん達。
気付けばティーポットの中身は空っぽになっちゃってたみたいです。
「オレ、普段そんなに附抜けてます??」
「あぁ…ふぬ………!!!」
バッ!!!と後ろを振り替えると、おかわり用の紅茶とケーキを手に、にこやか〜な笑みを浮かべ立っているユーリサイド話題の人アッシュがそこにはいた。
これにはユーリもヨアヒムも流石に石化。
「ヨアヒムさん、いらっしゃいッス」
「あ…ぁぁ…お邪魔してます………」
何故だか恐怖を覚えて妙に大人し〜くなっちゃった水牢の貴公子(笑)
「レオンさんやマティアスさんの気持ち、分からなくもないッスねぇ〜」
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