LoveVampire

□バレンタイン編☆
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「今年もたっくさん来たねぇ〜」
楽屋に届けられた沢山のチョコ…。
「今年も暫くはチョコ系のおやつが続くッスね…」
アッシュがその中の一つを手に取り呟く。
「チョコ見たくなくなるカモ…。まっ頑張ってねアッシュ〜☆」
そう言ってスマイルは楽屋を出ていった。
「頑張れって…んな簡単に言うなよ…ι」
スマイルが去ったドアを見つめながら呟いた。
「しっかしどうすっかなぁ〜…」
と呟いた時、カチャリと楽屋のドアが開き、疲れた表情でユーリが帰ってきた。
その手には、沢山のチョコが入った紙袋が一つ…。
「ユーリ、大丈夫ッスか??」
「…出待ちのファンに捕まった…」
その発言にアッシュは驚いた。
「出待ちって…裏から出てここまで来たんじゃなかったんスか!!?」
「…少し考え事をしていて…な。気が付いたら正面から出ていて…取り囲まれてた」
「ユーリらしくない…。一体何考えてたんスか??」
アッシュは疲れきったユーリを抱き寄せ、そっと髪を梳きながら尋ねた。
「えと…その……いっ…言いたくない……///」
明らかにアッシュの顔から目を反らしたユーリに、怪訝な表情を浮かべるアッシュ。
「気になるじゃないッスか…」
「きっ…気にしなくていいっ!!!」
アッシュの胸元に顔を埋める。
「ぁ…ちゃんと言わないと、イタズラしちまおっかなぁ〜…」
そう言ってアッシュはユーリの翼に手を伸ばす。
「ひっ!!!ぁ…アッシュっ!!!」
「何ッスかぁ??」
「お前っ…最近やる事がスマイルに似てきてるぞっ!!!」
ジタバタ暴れるしかないユーリ。
「じゃあ何を考えてたんスか??」
「ぁっ…わかっ…教えるっ…教えるからっ……んっ…そこから手ぇ放してっ…アッシュぅっ…」
と、ビクビクと身体を震わせ、上目使いで今にも泣き出しそうな声を挙げたユーリに負けたアッシュ。
おとなしく翼の付根から手を離す。
ユーリは荒い呼吸を繰り返しながら、再びアッシュの胸元に顔を埋めた。
「アッシュ…これ以上チョコレート貰ったら…やはり嫌だろう??」
「ぇっ??」
尋ねたユーリに首をかしげる。
ユーリはアッシュから離れ、ゴソゴソと自分の上着の内ポケットから、綺麗にラッピングされた小さい袋を取り出し、アッシュに渡した。
「私は…その…毎年貰ってばっかりだから……///」
ユーリは顔を紅くして俯いた。
「…ユーリの手作りッスか??」
その質問にユーリは下を向いたまま頷いた。
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