THE SHINE

□リストカット
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魂の抜けた様にユーリが尋ねる。
『どうして?なんで?』と…
更にきつく抱き締める。
「どうしてって…オレの方が聞きたいッスよ…
なんでそんなに死にこだわるんスか…」
「私は…死なないから…
死なない生き物だって聞かされているから…」
空虚を見つめたユーリを、自分に寄りかからせる。
「ユーリ…死なないのはユーリだけッスか?」
優しく頭を撫でながらアッシュは言った。
「オレだって死なないんスよ…
オレだけじゃないっス…
スマイルも…みんなユーリと一緒なんッスよ」
「……ひくっ…ひくっ…
わぁぁぁぁぁっ…アシュ…アッシュ〜っ」
ユーリが今までに見たことがない程、泣きじゃくる。
「だって…だって…皆私を置いて逝ってしまうから…
だからっ…だからっ…
今まで他人と関わる事を拒んだ…
今の生活だって…何時かは誰もいなくなって…私一人になってしまうんじゃないかって…
そうなる前に死んでしまいたかったんだ…
もう、一人は嫌なんだよぉ〜っ」
今までの苦しみをアッシュに全部ぶつけた。
大粒の涙と共に…
「もう、大丈夫っスよ…ねっ…
一人じゃない…一人じゃないから…ねっ
だからもう、こんな事しないで下さいよ」
ユーリは、泣きながら頷いた。
しばらく泣いた後、いきなり倒れた。
「だっ…大丈夫っスか!!」
「血が…足りなくなっただけだ…気にするな…」
アッシュは溜め息をつき、倒れたユーリをベッドまでつれて行った。
「ユーリがあんな事続けるからッスよ…ほら…」
アッシュは襟元を開け、血を飲むように促した。
「すまないな…」
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