THE SHINE

□Black Bitter
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俺は今、今日最後の仕事である、ユーリへの差し入れ持っていく所っス。
「ユーリ、俺っス。入るっスよ?!」
ユーリとは、気高いヴァンパイアで…俺の大好きな人っス///
「アッシュか…。今カギを開ける」
コツコツとブーツの近づく音がした

─ガチャッ…─

「ブラウニーをお持ちしたっスV」
「毎日すまないな…。私が出向いても構わないのだが…」
いつもとは違うユーリの雰囲気…。
「ユーリは忙しいから仕方ないっスよ」
俺が笑顔で言ってもユーリの表情は曇ったままだ。何故だろう…?!
「…ユーリ…。どうかしたんスか??」
気になった俺は聞いてみた。
「いや…大した事ではない。気にするな」
口許だけ吊り上げて笑う。
「そんな表情しといて大した事じゃないなんて嘘っス!!…俺に言えない事なんスか?!」
やはり俺は主人に尽くす犬科の種族なんだな…と思った。
こんなにも、主人同然であるユーリの事が気になるなんて…。
「俺じゃあ…力になれませんか?!」
俺はユーリを背後から抱き締めた。
「何の…真似だ…」
ユーリは先程と何も変わらない口調で口を開いた。
「俺は、頼りになりませんか?!」
先程よりも強く抱き締める…。
「こればかりは、無理だな。」
「何でっ…スか??」
俺は唇を噛み締め、ユーリに問う。
「お前が心配する事ではないからだ」
正直言ってショックだった。
「そっ…スか」
こんな時でも俺はユーリの役に立たない…。
こんな役立たずなのにユーリの恋人と言えるのか?!
「俺は少しでも貴方の役に立ちたいのに…何も出来ないなんて…」
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