THE SHINE

□月花≪げっか≫
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「うむ…それも良いな。今から作れそうな物もなさそうだしな。では、支度をしてこよう」
ユーリはそう言い、再び2階に上がった。
ボクも支度をするために、用意された部屋に行った。

久々にユーリと食事に行くってだけなのに…
なんだろな。
初恋に陥った時みたいに…
すごくドキドキした。

支度を終えて、リビングに行くと、ユーリはソファーに座っていた。
「そういえば、何処に行くか決めてあるのか??」
ボクの前に立つ。
「うん。考えてあるよ〜☆」
ボクの考えを読んだのか、ユーリは微かに笑い、「あぁ、あの店か」と言った。
「では、参ろうか」
「ラジャー☆」
ボク達は城を後にした。

※ ※ ※ ※ ※

歩き慣れた道…
ボク達は店に向かって歩を進めた。
昔、ユーリと行った店…
ボクが連れて行って、ユーリがかなり気に入ってくれたのだ。
最後に行ったのはもぅ10年位になるかな。
「まだあれば良いな」
無邪気に笑う。
そんなユーリが妙に子供っぽく見えて…
「まだあるさ」
とボクは言った。
そう、メルヘン王国の国民は結構長寿で、昔ながらの店が多い。
特に内乱の少なかった南部にはそんな店ばかりある。
細い路地の突き当たり…
隠れ家的存在のお店。
知る人ぞ知る名店なのだ。
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