THE SHINE

□月花≪げっか≫
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店の扉を開けるとカランコロンと音がする。
中に入ると、オレンジの照明がやわらかく迎え入れる。
「いらっしゃいませ」
店の雰囲気に合わせ、店員が静かに言う。
「どうぞこちらへ…」
席へと案内される。
いつも座っていた一番奥の席…
「ボク達の事、覚えててくれたみたいだね」
「だな」
ユーリはとても嬉しそうに笑った。
今まで見たことない表情…
こんなに無邪気に笑うユーリを見たのは初めてで…アッシュは、こんなユーリを見たことがあるんだろうかと考えてしまう。

─出来れば、ボクが一番最初に見ることの出来た者だと願いたい─

その後ボク達は食事をしながら、たわいもない会話を楽しんだ。
曲の事、この店の事、昔の事…いろんな話をした。
デザートにオレンジ・ペコの紅茶とシナモン・ケーキが出てきた。
ここの店長がサービスしてくれたらしい。
「久々に来たのにな。後でお礼を言っておかなければ…」
ユーリはゆっくりと言う。
デザートをじっくり堪能した後、店長にお礼を言い、店を後にした。
帰り際。ぱらぱらと雨が降り出していた。
「やはりここは雪にはならないか…」
ユーリは苦笑しながら言った。
「こっちはね」
「仕方ない。走るぞ」
「ユーリ飛べばいいじゃん」
「…っ…今日は疲れてるんだっ!!///」
相変わらず素直じゃない。
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