THE SHINE

□花葬─神葬〜花弁散る〜
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─好きすぎて…
好きすぎて好きすぎて…
アナタを離したくない…
そんな事、思って当然でしょう?
だってアナタはこんなにも綺麗なのだから…─



     花葬


「ねぇ…ユーリ…痛い?」
月明かりだけが輝く部屋の中…
アッシュは何時もと違う、冷徹な目で血だらけで床に転がっているユーリに語りかけた。
「……ん…で…」
ユーリは肩で息をし、色の無い瞳に涙を浮かべながら小さな声でアッシュに訪ねた。
「ねぇ…ユーリも、純銀製の物で傷付けられたら回復は鈍いんスよね…」
ユーリの発言を無視し、アッシュは何処からか純銀製のナイフを取り出し、ユーリの深紅の翼を滅多刺しにした。
「うゎぁぁぁぁ〜っ!!!」
身体のどの部分よりも薄い翼を傷付けられ、ユーリは翼を目一杯広げ絶叫した。
「…っ…ぅぅぅっ…」
ユーリは傷付いた翼を力無く広げ、激痛とアッシュの恐怖に震え、涙していた。
「これで、当分は何処にもいけないッスね…」
アッシュは相変わらず冷たい目をユーリに向け微笑んだ。
「ユーリ…ユーリの血って薔薇の様に綺麗っスね…」
アッシュは近くにあった花瓶に生けられていた紅い薔薇の花弁を千切り、ユーリの上に散らした。
「ほら。ユーリ、こうすると沢山の薔薇の花で埋葬したみたいに綺麗ッスよ…」
アッシュは愛しそうに呟いた。
「ユーリ…ユーリ、オレだけのユーリ…」
アッシュはユーリを抱き上げ愛しそうに呟いた…
「…ぅ…ぅ…」
ユーリは小さくうめいた…

簡単に死ねない身体…
虐待を受けるのは慣れている
でも…
愛する者にこんな手酷い仕打ちを受けるなら…
こんな苦痛を受けるなら…
早く死んでしまいたいっ…
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