呪われた人々

□水牢之人(†+‡)
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僕は肩越しにチラリとそいつを見た。
金髪で、腰に錬金術で作られた鞭を携えていた。
「私の名はレオン…。君は??」
僕はゆっくりと立ち上がり、彼の方を向く。
「僕の名はヨアヒム・アルムスター。残念だ。ヴァルターじゃなくて…」
ヴァルター…僕をヴァンパイアにしておきながら、こんな所に閉じ込めたヴァンパイア…。
「この感じ…ヴァンパイアか!!」
「そうさ。下賎な人間…」
「何故、ヴァンパイアが閉じ込められている??」
「うるさいっ!!!」
僕は怒鳴った。
「ヴァルターめ……」
「!!お前もヴァルターを恨んでいるのか??」
「こんな所に閉じ込めて、恨むなって方がオカシイだろ!!!」
「確かに…」
彼は苦笑いを浮かべる。
何故か…何故か腹が立った。
「かかって来いっ!!!ヴァルターを倒す準備運動だ…。行くぞっ!!!」
地面に突き刺していた剣に力を送り浮かべる。
「ちょっ…ちょっと待ってくれ!!!君もヴァルターを恨んでるのだろ??」
「だからどうしたってんだ!!!」
彼に向かい、剣を飛ばす。
彼はクルリと回転し、剣をかわす。
「だったら私と協力してヴァルターを倒さないか??」
共戦協力を求めて来た。
「誰が人間何かとっ!!!切れっ!!切れっ!!!」
剣を回転させて彼を攻撃すが、またもやかわされる。
「じゃあ、せめてオーブを渡してくれ」
頭がオカシイのかコイツ…。
「嫌だね。そんなに欲しけりゃ、逃げ回ってないで僕を倒せばっ!!!」
気を集中させ、地面から剣を繰り出す。
「やはり、君を攻撃すしかないのか…」
彼はようやく携えていた鞭に手を伸ばした。
「アハハッ!!ようやく殺る気になった??」
まぁ、僕に攻撃当てるなんて無理だろうケド…
「守れっ!!!」
彼が僕に向かって鞭で攻撃してくるが弾き返す。
「何故だ??」
「ムダムダっ!!僕には当たらないよ。死ねっ!!」
魔法陣から剣を飛ばす。
「くっ…」
悔しい事に、全部ガードされてしまった。
「君がやってる事はどうも矛盾している気がする…」
「は??矛盾???何が…」
「なんとなく…。でも、何処か寂しそうだ…君は…」
ホントに頭がオカシイんじゃないのか???
「攻撃出来ない事のひがみ??」
「かも知れん。でも…寂しかったんじゃないか??長く閉じ込められてたんだろ??」
ホントにムカついてきた。
寂しい??僕が???
「死ねっ!!!お前なんて切り刻んでやるっ!!!!」
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