呪われた人々

□オレガ彼奴等ヲ嫌イナ理由〈ワケ〉(†+‡)
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理由其之二…同ジ境遇ニ居タ相棒


「…っ…もっ…お止めっ…くださ…ぁっ」
気に入らねぇ
気に入らねぇ
気に入らねぇっ!!!
「血は生命と快楽の為…分かるだろう?ヘクター…」
名を呼ばれたオレの相棒は、ただ首を横に振るだけだった。


「ドラキュラ様…」
ヘクターがいなくなった寝室…
「どうしたアイザック」
永遠の忠誠を誓った主の手がオレの頬を撫でる。
「どうして…オレの血は吸わないのですか??」
「お前の肌はとても綺麗だ…。牙を立てるなど、気が引ける」
指が、オレの首筋をなぞる…。
「オレは、貴方になら傷つけられても構わないのに…」
「ほぅ…。じゃあお前の血も味わってみるか。…痕が残っても文句言わんでくれ…」
「貴方の口付けなら喜んで…」
だってそれが貴方の『所有物』という証だから…。
「痛いのは少しだけだ…」
首筋を舐められてから、牙を立てられる。
「っ!!!」
全身に激痛が走る…。
でも…
だんだん身体の奥が熱くなってくる……。
「はっ…んんっ……」

あぁ…
ズルイよな…
ヘクター《アイツ》
こんな最高の快楽の施しを受けていたなんて…
それなのに…
何でアイツは嫌がり、泣き叫ぶのだろう…



一夜だけの吸血…
アイツはこの施しを毎夜受けているなんて…
あぁ
気に入らねぇ
気に入らねぇ…
気に入らねぇ……
アイツはあんなにもドラキュラ様に愛されているのに……
『ヘクターが消えた…』
ドラキュラ様は悲しまれた。

─何で黙って消えた??
お前はオレより愛されていたのに…
愛されていたのにっ!!!
闇の力を生まれながらに持ち…
同じ境遇でこの城にやって来て…
同じ悪魔精錬士としてドラキュラ様に使え…
何不自由なかったじゃないか…

なのにお前は
オレ達を疎外した人間世界の中に身を置いた…

許せなかった…

オレよりドラキュラ様に気に入られていたお前が…
主を裏切ったお前が…

だから奪ってやった
アイツの大切な彼女〈ヤツ〉を…

さぁ…
力を取り戻して
ここまで来てみな…

次は直々に手を下してやる…

主を殺した罪…
そう軽くないと思えよ

ヘクター……

END...
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