呪われた人々

□乙女心、永久ラビリンス(♪)
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とヴィンセントは言った。
「なんだよ…乙女心って……」



─一方シャーロット…─

「エクスプロージョン!!」
一人で城内探索していたシャーロット。
「ふぅ…」
目の前にいた魔物を魔法で一掃させ、一息ついたシャーロット。
「あら、シャーロットちゃんじゃない」
「今日は一人なの??」
休んでいたシャーロットに声を掛けたのは、派手なドレスを着た女性─ステラと、俗に言うゴスロリ風な服を着た女性─ロレッタ。
「丁度良かったわ。これからお茶をするから、シャーロットちゃんもいらっしゃいな」
ステラはにっこり微笑み、シャーロットをお茶に誘った。
「じゃあ、お言葉に甘えて」



そして姉妹の部屋で始まった優雅なお茶会…

が…

「ホンットに頭くるっ!!!」
愚痴をこぼし、ハイペースでザッハトルテとミルフィーユ、チーズケーキとシュークリームを食べきったシャーロットを苦笑しながら見つめるステラとロレッタ。
「シャーロットちゃん、少し落ち着きなさいな」
カップに紅茶を注ぎながら、ステラはシャーロットを宥める。
「そんなにカリカリすると、お肌に良くないわ」
ロレッタは注がれた紅茶に砂糖とミルクを入れ、シャーロットに渡した。
「だって…いっつも子供扱いするんだもん…失礼しちゃうわ」
シャーロットは渡された紅茶を飲みながら呟き、目の前のクッキーを頬張った。
「16と言えば、少しのワガママとお洒落を楽しみたいお年頃ですもの。きっとジョナサン君は乙女心が分かってないわね」
ロレッタは手を頬にあてて微笑んだ。
「そう!!で、かなりムカついたから辞典で殴りつけてやったわ」
シャーロットはだから清々したという表情をうかべ、紅茶を口にした。
「そう言ってる割には、さっきからジョナサン君の話ばっかりよね」
「つまり何が言いたいんですの?お姉様??」
「あら、ロレッタは気付いてなかったの??」
ステラは満面の笑みを浮かべ、シャーロットを見た。
「好きなのよね???ジョナサン君の事が」
「んぐぐっ!!!」
ステラのストレートな発言に、クッキーを喉に詰まらせたシャーロット。
「あらあら、大丈夫???」
ロレッタは席を立ち、シャーロットの背を撫でた。
「ぁ…ありがとうロレッタ…。ちょっ…ステラ!!何をいきなり言い出すのよっ!!!」
「あら、違うの??」
「違うわよ!!誰があんなやつ……」
シャーロットは紅茶を飲み干し、言った。
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