呪われた人々

□現の夢、現の真実(†)
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そんな賑やかな所で、まともに勉強出来るのか??ι
「いや…遠慮しとくよ」
「そう…。あ、じゃ、また明日ね」
そう言って、弥那は神社の階段を駆け上がって行った。


「ふぅ…」
家に帰って、真っ先にベッドの上に転がった。
そのまま、ぼんやりと天井を見る…
しばらくすると、天井は…ぼやけて…歪んで……消えて………



『旦那様…奥様が…』

騎士団を勝利に導き、無事に帰還したオレに告げられたのは、余りにも悲しく残酷なものだった…。

『────!!─────!!!お願いだ…目を…目を覚ましておくれ……』

愛する人が…
目の前で冷たくなっている…

『あぁ…何故…何故っ!!!神よ…あなたの為に戦ったのに…何故妻を奪う!!!』



「!!?」
跳ね起きたら、夜の9時を過ぎていた。
夏でもないのに、汗をたくさんかいている。
「…なみだ???」
たかが夢…
こんな夢を見たって、きっと普段なら、涙なんかながさないだろうに…
なんだ??
この空っぽな感じは…
まるで、自分の身に実際に起こったようなこの感じは……
「一体…何なんだ??」



「くっそ…眠れなかったじゃねぇか…」
結局、昨日の夢が気になりすぎて眠れなかった。
「おはよう蒼真君」
「弥那…おはよう…」
「どうしたの?何時もと様子が違うよ?」
「いや…変な夢見ちまってさ…」
オレは弥那に言う。
そういえばあの悲しい感じ…
誰かが無事であって欲しいと言う感じ…
つい最近、同じ思いをしたような……
「夢って…昨日言ってた中世の??」
「あぁ…。しかも大切な人が死んでしまうって、変な夢さ」
「…珍しいね。蒼真君が夢を気にするの」
「オレだってビックリだよ…。でも、何か気になるんだ…」

そう
何か気になる…
無視しようと思っても、無視出来ない。



「ぁ〜…天気良いなぁ〜…」
昼休み…
屋上に、申し訳ない程度に出来た陰に入り、仰向けになる。
こんなに天気が良いと、誰だって、昼寝位したくなる。



『────お前…人であることを捨てたな!!!』

親友だった者はオレにそう言った。
そうだ
オレはヴァンパイアの魂が欲しかった。
そして、オレを裏切った神を…永遠に呪い続けてやるんだ!!!

『お前も来い───。今のお前になら分かる筈だ』

そうだ。
今のお前だって、オレと同じじゃないか…。
その力を得る為に、お前も許嫁を殺したじゃないか…

『哀れだな…。それが愛した女性の望みか?私の知る────ならそんな女性を愛さない!!!』
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