雑記帳

□魔物達の夜
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「何処に行くんだ??」
「異世界だ。お前達も通れる様にしてあるから来い」
「「いっ…異世界っ!??」」
ヴァルターとレオンは声を揃えて言った。
「そうだなぁ…強いて言うならメルヘンな国かな」
「「めっ…メルヘン!!?」」
またまた声を揃えて叫んだお2人。
「って、こんな黒くてドロドロした私達にメルヘンなんてのは似合わんぞ!!!」
「そ…そうだ。早まるなマティアス!!!」
と、各々訳が分からない事を言っているヴァルターとレオン。
「まぁとにかく来い」
「「嫌だ!!」」
スッパリ言い切った元城主と親友に対し、マティアスは「ふぅ〜」っと溜め息を着いた。
「全く…手間を取らせるな…」
言うが早いが、マティアスは黒い霧になり、2人の視界から消えた。
「ど…どこだ」
レオンは忙しなく辺りをキョロキョロと見回した。
「ここだ…」
そう言い、2人の背を後ろから水鏡に向かい押した。
「ぎゃぁぁぁ〜!!!」
「マティアスおまえぇぇ〜っ!!!」
叫びながら水鏡の中に落ちていく2人を見てからマティアスも水鏡の中に入った。
*+*+*+
「ギャッ!!!」
「痛っ〜」
「着いたか…」
無理矢理落とされ、見事に着地失敗しているヴァルターとレオンの隣に、マティアスはふわりと降りた。
3人がいたのは森の中…。目の前には白い満月を背に堂々とそびえる大きな城があった。
「不気味さといい、何といい、見た感じはあの城と変わらんな…」
レオンは先程までいた城の外観を思い出し呟いた。
「彼等もまた闇の一族だからね」
マティアスは呟いている友人に言った。
城に向かい歩くこと数分…。
城門をくぐり、正面入り口…。
ノックを数回。
「ここの奴とは知り合いなのか??」
レオンが尋ねる。
「まぁな。ここの城主は私達と比べ物にならん位魔力もってるし…」
だって吸血鬼なのに死神の鎌持ってるもんなぁ〜とボソリと呟く。
「それって危険人物なんじゃ…」
呟いたマティアスに、あぁ、こんな事ならヴァンパイアキラーを持ってくるんだったと心の中で嘆くレオン(笑)
暫く待っていると…
「どちら、まっ…で……リーヤく〜ん、ドア、あかないぃ〜」
「……ι」
半泣きする子供の声…
その直後にパタパタと誰かが駆け寄る足音が中から聞こえた。
そしてゆっくりと扉が開く。
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