短編集

□いつかまた(後編)
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翌朝、タクトが目を覚ますとすでに家の中にアンヌはいなかった。

台所にはタクトの分の朝食が用意されてある。


だが、アンヌがいない。

アンヌはあんまり出掛けたりしない。
特にタクトが家にいるときに外出したことは、ほとんどなかった。
ましてや、こんな朝っぱらから出掛ける事などないだろう。


まさか



まさか、出ていったなんてこと………はないよな…?

タクトはふとそう思った。
だがすぐにその考えを消すように、首を振る。

俺とアンヌは条件で結ばれている。

条件を破らない限り、アンヌは俺から離れて行くことはない。


俺はアンヌに湖の近くの家をプレゼントしたし、アンヌは俺の奥さんになった。


どっちも条件を破ってない。はずだ。




だがそこでタクトは、はっと気付いた。

俺がしてる浮気は俺が提示した条件を破ってる?




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