breeze
□雨の踊り子
1ページ/1ページ
色あせた雨の中 唯一の色の付いたアジサイの向こうで
踊っている君は 真っ白だった
そこだけ 雨が宝石のように輝いていて
君の周りを 楽しそうに回っていく
風邪をひくよと 声をかけようとしたけれど
その光景はあまりにも綺麗で
止めることは 僕にはできなかったんだ
これから先もう二度と 君は雨とともに踊れないんだと
笑っているその笑顔は とれも綺麗なのに
僕は涙で霞んで 見れなかったんだ
ねぇ どうしたら 僕はいつまでも 君を見ていられるだろうか
お願いです もしもこの世に 奇跡を起こせる誰かがいるというのなら
お願いです いつまでも 真っ白なこの子に 綺麗な涙を
†