俺の名前は阿散井恋次
護挺十三隊、六番隊の副隊長だ。



そんなことはどうでも良い(いや、良くはないが!)


今、と言うより今日は朝から隊の空気が悪い

いつもは厳しいながらも和やかな空気のこの六番隊

しかしながら、今日に限っては空気が張りつめており、皆無言で、とても重い



原因は我らが隊長、朽木白哉だ



「(うわぁ隊長機嫌悪っ!!)」
「(恋次さん!どうにかしてくださいよ!)」
「(もう無理です副隊長!俺らもうこの空気耐えられません!!)」
「(いや、これ無理だろ!!)」


「そこ煩いぞ。黙って仕事を続けろ。」



この重い空気に耐えきれなくなった理吉と隊員達が俺にヒソヒソと助けを求めてきた
そう、ヒソヒソと。

かなり声は小さかった筈なのに、隊長にはしっかり聞こえていたらしくしっかりとお叱りの言葉が来た。しかも霊圧を上げて、だ
(その霊圧のせいで隊員が何人か倒れた)




その後、倒れた隊員達の介抱をしにいった理吉達に加え、ほぼ全員から隊長をどうにかしてくれと訴えられ、渋々隊長の元へ向かう



「た、隊長?」


「…なんだ。」


「なんか、今日あったんすか?」


「…何故そのようなことを聞く。」


「いや、なんか隊長機嫌悪いなーって…。」


「……そうか?」



えぇそうですとも。
だからこの体を刺すような霊圧を抑えてください




『邪魔するぞ。』


「「「ゆかり隊長ォォ!!」」」


「ゆかり!」



助かった!アイツなら隊長の機嫌も直せるはず、と入ってきたゆかりに目を向ければ、いつもはない眉間に皺がくっきりと浮き出ていた


あれ、もしかしてコイツも不機嫌!?




『…白哉。一々隊員に当たるのは止めろ。何を考えている、失神者まで出すとは。』


「しかしだな、隊員の仕事が進んでいないのは、事実だ…。」


『言い訳は聞かぬ。それにそれはおまえのせいだ。無意識だろうがなんだろうが、隊員達に迷惑をかけるな。それに、仕事が進んでいないのはおまえもだろう。』


「……。」




おっと、ゆかりが隊長とおんなじ口調ってことは、かなりキレてるってことか?

隊長も黙っちまったし。
ホントどっちが上だかわかんねぇよ、この兄妹。



『悪かったな、恋次、それにおまえらも。仕事を続けてくれ、ちょっと白哉借りてくぞ。』


「お、おう。」




口調を戻し、いつもの通りに戻ったゆかりが俺達に微笑む

部屋を出ていくゆかりに続いて隊長も出ていく


重い空気を放っていた根元が居なくなり、いつも通りの空気を取り戻した部屋に隊員達は安堵の息を吐いた





数十分後、帰ってきた隊長は見るからにご機嫌だった
それはもう、いまだ嘗て無いほどの上機嫌で。


そんな隊長に、隊員達がまた別の意味で冷や汗をかくことになったのは言うまでもない






とある副隊長の






(なあ、何で隊長機嫌悪かったんだ?)
(何か、昨日寝てたら夜中、枕元に灯り持ったあいついてさ、しかもハァハァ言いながら。)
(え、)
(それで言ったんだ、うぜぇって。そしたらなんか朝静かだった。)
(え、あれへこんでたわけ!?しかも隊長キャラ違ェェ!じゃあさ、どうやって機嫌直したんだよ。)
(別に、ウザくない。寧ろ白哉は自慢の兄だよって。無論嘘だが。)
(…おまえ、隊長の扱い上手いな。)


お返事は日記にて!



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