脳内世界を組み立てろ!!

□たった1つの願い事
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「はよーッス、皆の衆」


ガラリとドアを足で開けてから教室の中に居る奴ら全員に挨拶をする。
手を上げて言うと、クラスメート兼学級委員長兼俺の友達の1人の女子がツカツカと歩み寄ってきた。


「おっ、はよーッス朱音……ってぶふぉ!?」


その女子、神月朱音(こうづき あかね)に挨拶をするといきなり朱音は俺にパンチをかましてきた。
激痛に頬を涙目で押さえながら朱音を見つめると、右手で人差し指を立たせながら左手を腰に当ている。


「おそよーでしょお、千佳」


「わざわざ朝からパンチはねぇだろ?めちゃめちゃ痛いんですけど」


頬を撫でながら言うと、もう1人の女子が朱音に歩み寄ってきた。


「朱音ちゃん、千佳くんが学校に来ただけでも良いでしょ〜?」


おっとりとした口調で朱音をなだめるのはクラスメート兼書記兼俺の友達の1人である言葉弥祢(ことのは みね)。


「あのなぁ、弥祢。それじゃあ俺が毎日遅刻してるみたいじゃん」


「そのとおりでしょ?」


いきなりサッと表情が冷め、俺をその表情で見つめる弥祢は一言で言うと"恐ろしい"。
そんな俺の後ろに近付くのは2人。


「誠心誠意」


「つまり、今日もまごころを持って行動しようという意味ですよね鬼徒さん」


「肯定」


難しい言葉を使っているのはクラスメート兼副委員長兼俺の友達の1人の獣北鬼徒(ししぎた きと)。
そして、鬼徒の言葉を解説したのはクラスメート兼会計兼俺の友達の1人、木葉蓮璃(このは れんり)。


「誠心誠意ねぇ、頑張るようにするよ」


コイツらが俺の友達。
………、何だよ。
何か言いたいことでもあるのかよ。
あぁ、そっか。
俺の名前は宝零千佳(ほうれい ちか)。
これからよろしくな。





「……?どこ見てんのよ」


「あぁ、すまんすまん」






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