脳内世界を組み立てろ!!

□Chain
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辺りを見回す。
人、人、人。
全く、うんざりする。
人とか少しで良くないか、と真剣に考える。
いっそのこと、殺るか。

──いや、待て待て。

展開早すぎだろ、僕。
邪魔だから殺すって、今時…いるかもしれないが待て。
これから高校生活が始まるってのに殺るってどうよ。
新しく生まれ変わるって決めたじゃないか。
そうだよ、僕は脱皮するが如く生まれ変わるんだ。


「ふぅ〜。落ち着け落ち着け白刃冀顱(シラハ キロ)。うん、はい、落ち着いた」


独り言を呟き終えると、先生がマイクで「静かにしなさい」と言った。
にも関わらず、お喋りをやめない生徒たち。

あー、うるさいったらありゃしない。
うん、これなら殺ったって怒られないよね。
僕は悪くないから。

すると、さっきマイクで言っていた先生に何かが起こっているようだ。


「え、ダメですよ。わ、ま、待ってくださいよっ。ダメですってば。うわぁ!?」


何が起こっているんだか。
おかげで殺る気が萎えちゃった。
…なんか曖昧な気分だ。
ため息を吐くと、ステージの横から出てきた何か。

お喋りは一旦中止してステージを見た生徒はどよめく。
僕は声には出さなかったが、かなり驚いている。

ステージには子供。
しかも、小学生くらいの。
その子供がマイク片手に仁王立ちしていた。
口にマイクを近付け、大きく大きく息を吸う音が聞こえる。
危機を感じて僕は耳を両手で塞いだ。


「野郎共静かにしやがれェェェッ!!!!!!」


耳を塞いだのも気休めにすぎなかったらしい。
全身が震えた、本気で。
それは皆同じようで、みんなぽかんと放心状態。


「うるっせェんだよテメェら。ふざけてんのかよ、あァ?ふざけてんだったら挙手or死ねよゴルァ!!!!」


ちょっと待て、少年。
大声&音割れはキツいですよ、ホント。
そのせいで、なんかもう頭破裂しそうなんですよ。


「ふざけてんのはどっちよガキ!!!!何偉い人ぶってんの?ごっこ遊びしたいなら出ていきなさいよ!!!!」


おぉ、マイク無しであそこまで大きな声を出せるなんて、拍手。
小さくペチペチと拍手をすると、少年はフッと笑った。


「俺様にそんなこと言っていいのかァ?まァ、いいか。今日の俺様は機嫌が良いからなァ。特別に許してやる。感謝しな。
さて、まァ耳の穴かっぽじってよォく聞けよ?


俺様はこの学園の学園長になった尸者(シカバネ コト)だ。よろしく頼むぜェ」





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