脳内世界を組み立てろ!!
□Chain
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「学園長である俺様はこの学園をどォしよォと俺様の自由ってこった。つまり、神にも等しい存在!!
皆の者、俺様を称えろ!!!!」
しまいには両手を広げ、天井を仰いで大笑いだ。
その大笑いをスピーカーごしに聞いて、僕は思った。
これは何だろう。
夢か? 夢なんだな、うん。
いつの間によくわからない意味不明なドリームワールドに入ったんだろう。
現実の学園長はきっともっと普通に頭に毛が二、三本のオヤジなんだろうな、ハハハ。
「ちなみに、ドリームワールドだと思ってる奴。言っておく、現実だ」
その言葉を言い終えたのと同時に大音量で騒ぎ出した生徒たち。
またか、と思ったのとまた同時に学園長様はうんざりとした様子でため息をついた。
「黙んねェと、わかってんのか。あァっ!!??」
しん、と黙り込んだ生徒たち。
僕もそのうちの一人だ。
「それでいいんだよ。俺様が学園長になったからにはこんなダセェ制服止めだ止め。もっとCOOLな制服にしようぜェ。それと、生徒手帳もCOOLにしてだなァ。校則も変えちまうか…」
ブツブツと呟いている学園長様を見て生徒たちは近くにいる友達に小声で話している。
いちいち喋んなよ、うざったいな。
「んじゃ、新しいCOOLな制服が届くまでの一週間は私服OK。まァ、校則が新しく決まったぜェ」
口端をニヤリと不気味に上げた学園長様は元の生徒手帳をステージの床に叩き付けた。
バシィッと気持ちのよい音がスピーカーごしにも聞こえる。
「校則壱
学園長には逆らわない
校則弐
学園長の言う通りにする
これだけだ。だから、制服を改造して更にCOOLにしてもOK。お菓子を持ってきたければ俺様に貢げ。欠席は許さねェ。が、欠席するなら相当の理由を持ってこい。喧嘩上等。寧ろじゃんじゃんして強くなりやがれェ!!
以上だ!!」
今度は地面が揺れた。
地震などではない。
生徒たちが引き起こした喜びの叫びで揺れているように感じるのだ。
それに満足したのか学園長様はえっへんと背中を反らして胸を張っている。
更には手のひらを全校諸君に見せて「落ち着け」と言っていた。
「おいおい、まだまだこれからだぜェ。これから入学式を始める!!」
オォォォオオオッッ
あぁ、これは正しく地獄。
これ以上こんなところにいたら気が狂いそうだ。
人と人の間をすり抜けて、ようやく空きを見つけた。
そこにしゃがみこんで見学。
ホッと一息。
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