脳内世界を組み立てろ!!

□Chain
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今から数年。
天変地異やらなんやらで世界は新たな進化を遂げていた。

──だが、特別な変化はない。

言っておこう。
特別な変化はない、とは言ったが小さくだが変化はある。
少子高齢化がまぁまぁ回復しつつあるし、いつのまにか全体が灰色などで埋め尽くされたりなどなど…。
その中で一つ、気になる変化があった。





「き…、奇跡だ!!」


これを奇跡を呼ばずして何と呼ぼうか…!?
見てくれ…!!
……失礼、見ることは出来ないようなので聞いてほしい。


「俺は新世界の神になる」


聞いただろうか。
この言葉をまだ“生まれたての赤ん坊”が言ったのだ。
普通は産声をあげているはずの赤ん坊の人生の第一声が“新世界の神になる”とは。
冗談だろうとこの場面を見えた(まみえた)人物は言葉も出ない。

すると、その赤ん坊はなんと二足歩行で男性に歩み寄る。
それは一瞬で、目に追うことすらできない。
何かが床に叩きつけられた音と共に、ようやく気付く。

男性が床に寝転がっている。
否、寝転がされたのだ。

赤ん坊がとても見事な技で男性に一本を取ったのだ。
そして、赤ん坊はその男性を鼻で笑って一言。


「この馬糞以下が」




誰も気付かない。
気付く術を知らないのだから。
この赤ん坊が新たな世界を造り出すことを。


気付かない。
気付くはずもない。





Chain





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