FireFlower(NonStop!!番外編)
『…た、タコ焼きのタコ無しくださーい』
「……は?いやいや、何言っちゃってんのお嬢ちゃん?タコ焼きのタコ無しって何?」
『あ…えーっと…わ、私タコアレルギーなんですよ。もうタコ食べたら全身タコまみれになっちゃうんです』
「いやソレもうアレルギーじゃないよね?アレルギーの域越えちゃってるよね?何かに取り憑かれちゃってんじゃないの?……まァ、しょうがねェ。作ってあげるから…ホラ」
『あ、ありがとうございます!まるで茹でダコのような男、略してマダオ!!』
「いやいやいや、無茶があるから。区切り悪いから」
『…あ、あの、マダオさん……それともう1つ…』
「え?まだ何かあんのか?」
『タコ焼きの焼き無しください』
「焼き無しって何ィィィィ!?」
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ジューッと屋台から香ばしい匂い。
カランコロンと下駄の音。
彩り豊かな浴衣の色。
そう…私は今日、夏祭りに来ているのだ。
…本当は仕事で来てるんだけど。
こういう時に近藤さんと沖田さんは役に立つ。
チラリと泣いたふりをしてみせれば情に熱いあの人なら見事非番にしてくれた。
少し心が傷んだのでバナナあげた。
やはり1人で夏祭りという程寂しいものはない、という場面で登場したのが沖田さん。
どうやって抜け出したか知らないが、まぁ別にいい。
あんず飴とチョコバナナと綿飴と焼きそばとイカ焼きとりんご飴とタコ焼きとかき氷食べて、それとラムネが飲めればそれでいい。
土方さんは…反対の押し通し。知るかあんな人!今度こっそりマヨネーズの中身をカスタードクリームに──それとあと──
少しばかり黒い事を考えながら、私はせわしなく人探しをしていた。
ど、どこ行ったアイツ!私を差し置いて祭り満喫しやがって……!
少々駆け足になる。
『ハァ、ハァッ……あ、いた!…お、沖田さーん!』
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