06/12の日記

22:51
07-GHOST(アヤナミ)
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<アヤナミ先生。シリーズ>


「居残りだ。」


突然告げられた死刑宣告と同じくらい、私にとっては嫌な一言だった。

居残り・・・・・。

私、居残りするくらいなら死んだ方がマシだと思ってるから。



「そうか、なら今死ぬか?」

「うわーい、居残り大好キー。さっさと勉強始めちゃいまショー。」


私は確実に文系なんですッ!!
この世に理数系は必要無い!特に数学は一切必要無いと思ってるからッ!!
でも・・・・―


「この問題を解け。」


この横暴な数学のてんてー、通称アヤたんが厳しいので、みーんな一生懸命勉強している。
私も例外ではない。のに。

何故?どうして? why!? 成績が上がらんのじゃーーーーッ!!!!

「せ、せんせー・・・。教科書、見てもいいですか・・・?;」


解き方が分からないので、手をおず・・・と上げ、問うと先生は小さく首肯して下さった。


―パラ、パラ、パララ・・・


「あ、あれ・・・・?;何ページに載ってるんだろ・・・・?;」

み、見つからねェェェェ!!;

「56。」

「え?」

先生が呟いた数字。
まさかとは思いつつも、56ページを開くと、・・・・あった。ハイ、ありました・・・。

「あ、ありがとうございますっ!!」


・・・・最近、気付いたの。
アヤナミ先生、実は横暴なだけじゃないの。
分かんなそうな顔をしていると、いち早く気付いてくれるのはアヤナミ先生で。

問題を間違えても、怒るということをしない。


「先生、出来ました。」


ノートを先生の前に差し出す。採点用の赤ペンを持っていた先生はそのペンで、私のノートに丸をつけた。


「ゃ、やった・・・!!」


でも、・・・・一つ疑問がある。
私は数学が苦手だが、学年で一番出来ない訳ではない。

なのに、毎回私だけを連れてきて数学の居残りをするのだ。


何故、なのだろうか・・・・。


「――――、努力をしているからだ。」

「え・・・・。」

「お前が毎日、数学の勉強を頑張っているのは知っていた。だが、点数に表れない。
―、それを救うのが教師の役目だ。」


ぅ、嬉しい・・・・。アヤナミ先生に褒められるのってこんなにも嬉しいことなんだ・・・・!
イヤ、それよりも努力を認めてもらえた・・・・!!


「〜ッ、先生!!私、そのうち必ず数学のテストで百点を取りますからっ!!」

「期待せずに待っている。」


ま、待ってくれるんだ・・・!!(期待されてないけど;)


「三学期期末の100点しか受け付けんからな。」

「なっ!?;せっ、先生厳しいですっ!!;
・・・・・、私、数学のテストで100点取ったらやりたい事があるんです♪」

「ほぉ。」

・・・・・先生、私のやりたいことに興味ないみたい・・・;

「どうせ、くだらんことだろう。アレが欲しい、コレが欲しいとかか?」

「違いますよ!!もっとソウダイです!!」

「世界平和、などと馬鹿げた事を思っているんじゃあるまいな。」

「なんでそう、飛躍するんですかっ!!;」


私のこの対応に、アヤナミ先生は少し興味を持ったようだった。
切れ長の目を更に細くさせて、私に続きを促すような視線を向けてくる。

でも、残念ながら先生。
100点取るまで言いませんので、あしからず!!



<ツヅク>
かも。

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