籠球裏の書
□第1Q
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超強豪・帝光中バスケ部の五人の天才は「キセキの世代」と呼ばれた。
しかし、彼等の1つ上に同じ天才が五人居た。彼等が居なければ確実にその五人はキセキの世代と呼ばれていただろう。
"無冠の五将"――
彼等のもう1つの名だった。
しかし、キセキの世代や無冠の五将でさえも一時注目を置いた選手がいた――
〜第1Q〜
木「それじゃあばあちゃん、行ってくる。」
ば「行ってらっしゃい鉄平、気を付けてね。」
木「あぁ。…スズー。そろそろ行くぞー。」
「あぁー!!待ってお兄ちゃん!!入部届け忘れた!」
勢いよく部屋から出てきたこの娘、名前は木吉スズ。
木吉鉄平の妹で同じ誠凛高校に入った。
茶髪のセミロングの髪を纏めながら慌てる。
木「入部届けは俺が持ってるだろ?」
呆れながらカバンから入部届け書を出して見せる。
「あっあー!そうだった!昨日無くしちゃイケナイって言ってお兄ちゃんの鞄ン中に入れたんだった!」
陽気にアハハと笑いながら玄関で靴をはく。
「それじゃあ行ってきます。」
ガララ
木「いやー、スズもとうとう今日からバスケ部に入るのか〜。」
「言うてマネージャーだけどね。」
苦笑いを浮かべながらも木吉と談笑しながら登校する二人だった。
木「ウィース。」
全「ウィース!」
日「お?木吉、お前何にやついてんだ…」
木「ん?俺そんな顔にやついてたか?」
伊「入った瞬間から分かったよ。なんか良いことでもあったか?」
木「いやー、それがさ〜。」
木吉はデレデレと照れるばかりで内容を話そうとしない。
日「な、なんだよ気持ち悪ィな…」
日向をはじめチームメイトはドン引きしたように彼を見つめた。
リ「はーい皆集まってるー?」
するとそこでカントクの相田リコが登場した。
木「お、リコも来たしそろそろ皆に言うかな。」
リ「え、なんなのこれ…日向くん?」
日「俺にもサッパリだ…。」
木「よし、じゃあ来てくれ!」
木吉は体育館の出入り口に向かって声を発した。
チームメイトの視線が一気にそちらの方に注目する。
ひょこっ
全「ん…?」
スズは木吉に呼ばれると顔を少し出し、そこから小走りで兄の元へと行き皆に体を向けた。
「あ、あの…木吉スズです!!兄がお世話になってます!」
頬を染めながら勢いよくペコッとお辞儀をした彼女をしばらく見たあと、全員が驚愕した。
全「木吉ィィィイ!!?」
、