籠球裏の書
□第2Q
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〜第2Q〜
キュッキュッ
日「おらコガ!今のパス出せたぞ!」
伊「火神、無理にシュートは打とうとするな。」
キュッキュッ
体育館にスキールの音と部員達の掛け声が響く。
その隅にはカントクとスズが部員達の練習風景を見守る。
スズはぺんを持ち、それぞれの特徴や能力を手元のノートに書いていた。
「すごいですね、やっぱり男の子の身体は延びしろみが著しい。」
カ「まぁね。夏の合宿で大きく進歩したって感じね。でもまだよ…まだあいつらは伸びる!」
カントクは自信満々気に言い放った。
「…やっぱり…昔と今とじゃ、男の子は変わるよね…」
カ「ん?何か言った?」
「あぁ、いえ何も!…あ、そうだカントク、次の試合の相手校って確か霧崎第一でしたよね、どんなとこなんです?」
カ「え、あ…うーん…あそこの話しは極力したくないんだけど…まぁしょうがないわね。」
カントクが霧崎第一のことを話しに出すと嫌に眉を寄せたのを疑問に思う。
「同じ東京都ですよね、あんまり情報が少ないので事細かにお願いします。」
カ「そうね、まずそこはなんたってラフプレーに気を付けなきゃいけないわ。」
「ら、ラフプレーですか!?」
男子高校生のバスケでまさかそのような言葉が出てくるとは思ってもみなかった。
「ラフプレーって…そんなファウルばっか取る高校なんですか?」
カ「いえ、逆に審判の死角をついてラフプレーしていくからファウルなんて皆無よ。」
「え、えぇ!?そんな無限にファウル出来るなんて…そんな、そんなことって…ちょっと羨ましすぎる…!!!」
カ「アホかアンタは!!!」
パシンと軽く頭を叩かれた。
カ「はぁ…やっぱ鉄平の妹ね…。でもこの話しは今年の話。去年までは普通の強豪校だったの。」
「それって、監督が進んでやらせてるってことですか?」
カ「そうね、けど監督は居ないわ。」
顧問はいるけどね、と後に付け足したカントクの言葉にキョトンと首を傾げた。
「監督不在?ってことは、あっちも誰か生徒が監督をしてるってことですか。」
カ「まぁそうなんだけど…無冠の五将って分かるわよね。居るのよ、その一人が霧崎第一に。」
「お兄ちゃんと同格の人がそこに!?い、一体誰なんですか?」
カ「無冠の五将の一人にして付いたアダ名は悪童…
花宮真よ。」
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